『リーダシップの本質』
【評価】
☆☆☆
【紹介】
元ボストンコンサルティンググループ社長であり,現ドリームインキュベーター会長の堀紘一氏の著作で,リーダーにとって必要な資質,リーダーがとるべき行動について述べた本です.また他のリーダーシップの本にも見られるとおり,企業とは何か,どうあるべきかといったことに対しても堀さんなりの見解が述べられています.
リーダーに対する記述では格別目新しいことが書いてあるというより,基本的であるもののほとんどの人が意識し実践することができないことが書かれています.
例えばリーダーがすべき五つの仕事として
- 目的・ゴールの設定
- 現在地がどこかを認識すること
- どのような環境変化があるかを読むこと
- 現在地から目的地までたどり着くための戦略の策定
- 当事者を励まし,叱責して,任務を実行すること
またリーダーに必要な4つの能力として
- 観察力
- 状況判断力
- 意思決定力
- 行動力
を挙げ,この中でも特に状況判断力と意思決定力が特に重要であること,しかしながらこれらを兼ね備えた人材が我が国には少ないことを訴えています.
堀さんの著作にしては,やや論理・構成が整理されていない印象を受けましたが随所に有用な情報が散りばめられており,読んでみて損はないかと思います.
【管理人より】
紹介のところでも述べましたが,この本の内容は正しいものの,格別新しいことが書いてある訳ではありません.
上記の例にしてもいずれも決して斬新な意見ではないと思いますが,堀さんのように多くの人から尊敬され,社会にある程度の影響力を持った人がこのような情報を発信することには大きな意義があると思います.
私も堀さんの意見だからということで素直に受け入れられた部分が多かったのは事実です.このような書籍を通じて一人でも多くの若者が,正しい認識と強い気概を持ってくれれば,我が国の今後も変わってくると思うのですが.難しい所ですね.
【関連書籍】
『組織力を高める』 古田興司,平井孝志
『リーダーシップ論』 ジョン・P・コッター
『最前線のリーダーシップ』 マーティ・リンスキー