課題解決

業界問わず,現在企業が学生に期待する能力として,問題解決能力があります.経済環境の変化が激しく,金融,メーカー,メディア等々あらゆる業界で既存のビジネスを見直し,新たな成長機会を創出しなければならない現代においては当然です.


特にコンサルティング業界は,その問題解決を生業にしているだけあって,求められる能力の幅・高さ伴になかなかの水準を要求されます.この業界を目指している方は,まず具体的に以下の能力がきちんと備わったうえで,本選考・ジョブに挑んでいただければと思います.


1.戦略思考力
戦略思考・論理的思考という言葉は,皆さんもよく耳にすることと思います.その詳しい定義については,他のサイト・書籍を参照して頂くこととして,問題解決をするにあたって,最も基本的かつ重要な能力です.

最近は,この手の書籍もかなり充実しているため,比較的容易に良書に出会えるかと思います.従来から定評のあるものとして,以下の書籍を紹介します.

  • 『戦略思考コンプリートブック』河瀬 誠(2003)
  • 『問題解決プロフェッショナル』齋藤 嘉則(1997)
  • 『戦略思考プロフェッショナル』八幡 紕芦史(2003)


課題分析のためのフレームワーク等を暗記し,選考中それを得意げに使う学生はあまり良い印象を受けないものの,ある程度頭に入れておいた方が良いです.GD,ジョブでは限られた時間で課題分析から解決策の考案,検証を行わなければならないため,これらの事柄を理解し使えるようにしておくことで,時間・思考の無駄が省けます.


ただ,よほど怠惰な学生では無い限り,論理的思考くらいはさすがに勉強してくるわけです.(それを使いこなせているかは別ですが)最近は,それプラスアルファについて言及した書籍も増えています.ここでは,その中でも定評のある著者・編集者の書籍を紹介しておきます.


2.着想力
戦略的思考を十分に鍛えることで,課題分析を基にした説得力のある解決策を導き出せる可能性はかなり高まります.ただし,毎回毎回"無から有を生み出す"のは非効率的です.昔からアイデアを思いつくことにおいて非凡な才能を発揮してきた人は別ですが,そうでない限りは,今までの成功事例をある程度知っておくことで,着想の助けとなってくれます.

ケーススタディと言えば,ハーバードビジネススクールの得意とする所ですので,時間が同校の書籍を数冊読んでみるのも良いかと思います.ここでは,なかなか示唆に富んだ事例が紹介されている書籍を幾つか挙げておきます.

  • 『BCG流 成長へのイノベーション戦略』ジェームズ P アンドリュー(2007)
  • イノベーションへの解』クレイトン M クリステンセン(2001)
  • 『戦略の原理』コンスタンチノス マルキデス(2000)


3.提案力
課題の分析も解決策も一定水準以上であるとすると,最後にはそれを的確に相手に伝えられるかも大変重要です.必要な情報を相手に分かりやすい順序で,無駄なく伝えること,そして可能であれば相手の心に響く提案ができるかどうかは,選考はもちろんのこと,ビジネスの場においても不可欠な能力です.

このあたりは,実践を通して高めていくべき部分が大きいのですが,押さえておくべき重要事項も少なからずあります.以下の本は,いずれもなかなか定評のある著者の作品で,得るものも多いと思います.

  • 『戦略的プレゼンテーションの技術』八幡 紕芦史(2002)
  • 『ロジカル・プレゼンテーション』高田 貴久(2004)
  • 『プロフェッショナル・プレゼンテーション』土井 哲, 高橋 俊介(2002)


上記3分野とも,最近はコンサルタントおよびコンサル出身者により様々な書籍が出版されています.良書も多いのですが,ファーム名に惑わされて過大に期待し,期待はずれに終わる本も少なくありません.このあたりは,何冊も読むことにはそこまで価値はないかと思います.信頼のおける一冊を見つけ,それを熟読したら,その後は積極的にアウトプットの機会を作り,実践訓練とフィードバックを通した能力強化に注力して下さい.

長くなりましたが以上です.



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