『V字回復の経営』

【評価】

☆☆☆☆


【紹介】

企業再生のスペシャリスト三枝匡さんの企業変革小説三部作のひとつです.前著『戦略プロフェッショナル』が比較的市場分析や販売戦略に重きを置いた内容であったのに対し,こちらは組織改革に関する話に紙面が割かれています.特に製造業で多くみられる


技術者と営業職員双方が持つ被害者意識(技術者達は自分達が良い製品を作っても営業職員達がその良さを理解できず販売にも力を入れていないと不満を言い,営業職員達は技術者達の作る製品が顧客の求める物と違うと不満をこぼす状態)”


が取り上げられており,そういった組織はどこが問題なのか,その問題を解決するには組織をどう変えたらいいかについて物語を通じて理解できるような内容となっています.



【管理人より】

組織内のコミュニケーションの重要性は今更言われなくとも多くの方が認知していると思います.しかしながら,これだけ情報技術が発展した現在においても閉鎖的な組織は数多く存在します.単にITシステムを強化するとか組織図を練り直すとかいった表層的な対策では満足のいく結果が得られないのは明らかです.

むしろどれだけ技術が発展しようとも機械にはできない仕事,創造性や人間性が求められる仕事で価値を提供できる人間が今後重宝されていくのではないでしょうか?知識・スキルの習得も勿論重要ですが,そういった能力の強化にも多くの時間・エネルギーを割かないといけませんね.



【関連書籍】
『戦略プロフェッショナル』三枝匡
『経営パワーの危機』 三枝匡
コトラー 新マーケティング原論』 フィリップ・コトラー



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