『マッキンゼー 合従連衡戦略』

【評価】

☆☆☆


【紹介】

マッキンゼーコンサルタントが執筆したM&Aに関する書籍です.書かれたのが10年前ということもあって,企業価値の算出における注意点やデューデリジェンス(被買収企業の現地調査)の重要性,組織の統合における留意事項など,現在となってはどの企業にとっても当然のことも多いです.しかしながら上記の中でも組織の統合については,現在も頭を悩ませている企業は数多く存在します.読めばそれなりに得るものはあるかと思います.


2009年2月に最近出版されたマッキンゼー 最強の成長戦略』パトリック・ヴィギュエリにM&Aに関する同社の新たな知見が書かれています.現在読んでいる最中ですので,読み終わったらそれについても触れたいと思います.



【管理人より】

クロスボーダー案件は勿論のこと,国内企業同士のM&Aですら組織の統合は大変難しい仕事です.いわゆる合併・買収後のシナジー効果の創出というのは,多くの場合思うようにいっていないのが現状です.

規模の拡大をコスト優位性に繋げることひとつとっても,成功のためには緻密に練られた計画と優れたリーダーシップが不可欠です.また統合により被買収企業の優れた企業文化や業務プロセスが失われる可能性にも十分な検討が必要であり,現在の企業価値や成長性,表面的な経営資源のみから買収企業を選定すること,買収後の戦略を練ることは非常に危険なことです.その点について深く考える機会を得られた点で,この本には感謝しなければならないと思っています.



【関連書籍】
マッキンゼー 最強の成長戦略』 パトリック・ヴィギュエリ
『成長戦略論』ハーバードビジネスレビュー編集部




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