『コンサルタントの現場力』

【評価】

☆☆☆☆


【紹介】
HRインスティテュートの代表で,著書多数の野口吉昭氏の著作で,『コンサルタントの○○力』シリーズの第一弾です.コンサルタント以外の方が読んでも十分役立つ内容ですが,特に新人のコンサルタントにとっては仕事と直結する箇所が多く,得るものが多いかと思います.参考になったポイントをいくつか紹介します.



論理的思考とコンセプト思考の両方を発揮できなければならない:論理的思考については,十分理解している方が多いと思います.現状を正しく分析し,問題点を整理し,課題を明確化すること,これは経営の問題解決を進める上で必要不可欠です.しかしながら,それだけでは他社と変り映えの無い,平凡な打ち手しか生まれません.論理的・分析的な思考と共に,全く新しい価値を生み出す右脳的な閃きを意識して鍛えていく必要があります.


「自分軸」と「相手軸」を使い分けよ:コンサルタントの提案は,聞き手が納得し実行してもらえるものでなければ意味がありません.いきなり問題の指摘から入って,論理的に導いた解決策を提示しても,相手がそのまま納得してくれる可能性は高くありません.相手の強み,今まで成功してきた要因等をきちんと理解し,それを評価したうえで,本質的な問題を指摘するなど,相手側の目線も十分に配慮した議論の展開が不可欠です.


経営ツールを使いこなす能力と共に,ツールを生み出す能力を身につけよ:3C,4P,SWOT,5F,PPM,AIDMA等々,有名な経営ツールは数多く存在します.最低限知っておくべきツールはありますし,それらの中から場面場面に合わせて適切なものを選ぶ能力も重要です.しかしながら,ツールに当てはめて整理するだけならば誰でもできます.PPMSWOTのようなマトリックス型のツールは,軸を設定しなおせば,すぐに新しいツールへと進化させられます.既存のツールに頼るばかりでなく,必要に応じてそのケースに最適なツールを生み出す能力も身に着けておく必要があります.



こんなところでしょうか.2時間程度ですぐ読めるので,気分転換がてら目を通して見てはどうでしょうか.




【管理人より】
コンサルタントとして働き始めて一ヶ月経ちました.平日でも5時間近く寝られることが多く,健康状態も極めて良好です.上で紹介させてもらった要点は,まさに仕事をしていて確かにと感じた点です.少しだけ補足させて下さい.



経営数字の改善よりも重要なものをきちんと理解しなければならない:会計基準が改定されて以降,株主を意識した経営を行う必要性が高まったのは事実です.実際のところ,ROI,ROEを向上させるだけの提案なら,どの会社に対してもそれなりに挙げることは可能です.しかしながら,経営者がどうしても譲れないものというのがどの会社にもあります.人を切ること,工場を売却することなどは,会社存続のため,経営改善のためというだけではなかなか納得してもらえません.経営改善のための施策を提案できるのは当然として,それをクライアントが納得させ,実行に移してもらうためには何を伝えなければならないか,どう伝えなければならないかといった部分にまで,十分配慮できる人材にならなければなりません.




【関連書籍】
コンサルタントの質問力』 野口吉昭
コンサルタントの解答力』 野口吉昭




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『使う力』

【評価】

☆☆☆


【紹介】
ボストンコンサルティンググループ代表の御立尚資氏の著作です.ビジネスリーダーとして成功するうえで,知識・スキルと共にそれらを結果に結びつけるための「使う力」が重要であることを指摘しています.

あまり印象に残らない内容でしたが,役立つ内容も少なからずあったので,後日また要点をピックアップしてまとめたいと思います.


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『ロウアーミドルの衝撃』

【評価】

☆☆☆


【紹介】
大前研一氏の著作で,我が国の所得分布が「一億総中流」には程遠い現状を踏まえ、企業・個人が取るべき行動が何かを指摘した著作です.個人的に気になったポイント以下2つです.



人口の8割がロウアーミドル以下である:ロウアーミドルとは,年収300万円〜600万円の世帯のことを言います.我が国では,このロウアーミドルと更にその下の階層が,全世帯の約8割を占めています.我が国は,「失われた10年」以降閉塞感と,低所得に悩まされてきた訳ですが,これは一時的な不況の類ではなく,我が国の政策・産業双方における構造的な問題に起因するものです.単に耐えるだけでは,景気も個人の生活も改善しないということを,我々は覚悟する必要があります.


ロウアーミドルは単に安いだけの商品には満足しない:ロウアーミドルのほとんどは,そこそこの家庭で育ち,自分は中流(少なくとも下流ではない)という意識が強い傾向があります.そのため,単に安いだけでは購買要因として不十分です.本書ではNatural Kitchen青山フラワーマーケット等を例に挙げ,ロウアーミドル層へのアプローチには"安いけれどもセンスのあるもの"や"手の届く贅沢品"をいかに提供するかが重要であると主張されています.


後半は,個人の消費のあり方について,我が国の政策について書かれています.読み物としては面白いのですが,大前氏の著作を普段から読む人には,重複する部分が多いです.



【管理人より】
ここ最近は,8時〜25時とオフィスにいる生活が続いたため,久々の更新となります.時間の都合上,内容が私の備忘措置的になっていくかもしれませんがご容赦下さい.本書の内容を踏まえ私の考えを書かせてもらいます.


現状を味方につける術を常に考え続けなければならない:現代は企業にとって戦いやすい時代と言えるでしょうか?成熟期以降,ビジネスはやりにくくなったと考えている方が多いかと思います.確かに,人口は減少傾向にあります.この国の個人金融資産の8割は,購買意欲の低い高齢者が握っていますし,彼等は「もしもの時」のために死ぬ直前まで貯金に励みます.新興国の人材水準,技術水準も確実に先進国に迫っています.しかしながら,現状に文句を言っていても時が逆流することはありません.高齢化も新興国の成長も考え方次第では,絶好のビジネスチャンスとなるはずです.常に建設的な思考をする癖を身につけることが現代の我々には極めて重要です.



【関連書籍】
『なぜ安くしても売れないのか』マイケル.J.シルバースタイン
ネクストマーケット』C.K.プラハラード


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『戦略パワー・プロフェッショナル』

【評価】

☆☆☆☆


【紹介】
『問題解決プロフェッショナル』,『問題発見プロフェッショナル』で有名な,齋藤嘉則氏の2005年の著作です.内容に関して,一部前著と重複する箇所もありますが,本書はより企業戦略の立案に即した思考の働かせ方に重きを置かれています.


時間のできた時に,要点の抜粋(と言う名目の備忘文書)を書かせてもらいます.



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『ビジネス力の磨き方』

【評価】

☆☆☆☆


【紹介】
P.F.ドラッカーに並び,国際的に強い影響力を持った知識人である大前研一氏の著作で,新興国経済が勢いを増す中,先進国労働者一人一人がどのような認識を持ち,どのような能力を高めていくべきかについて書かれています.内容としては『ザ・プロフェッショナル』『即戦力の磨き方』の延長といった印象です.本書で強調されている能力は「先見力」「突破力」「影響力」「仕事力」「人間力」の五つです.いくつか紹介します.

先見力を磨け:先見力の重要性については,『ザ・プロフェッショナル』でも強調されています.アジア各国で工業,IT,金融等で活躍できる優秀な労働者が登場している中,我が国は労働集約型の工業化社会の強化で生き残れるのか,従来型の学歴エリートの大量確保で競争力が確保できるのか,といった課題は我々が本気で考えなければならないことです.本書では,先見力を発揮するプロセスとして(1)観察,(2)兆しの発見,(3)事象に働いている外力の把握,(4)現在の事象を早送りした時の状況を考える,という4つの要素を紹介しています.特に(3)(4)が先見性の鍵となります.周りで起こる様々なことに対し,このプロセスを適応する訓練を繰り返すことで,日々自らの先見力を鍛える姿勢が大事です.


影響力を磨け:日本が加工貿易国の時は,教えられた答えを暗記し,正確に仕事をすることが最重要能力でしたが,そのような能力をもった人は,今アジアの低賃金国に大量に存在します.今後企業が高く評価するのは,答えを自分の頭で考え出し,周りに人々に影響を与える人です.そのために,まずは思考の型を身に着け(最初はMECE,論理的思考から),身の回りの出来事に当事者になったつもりで考える訓練を重ね,考える能力を磨かなければなりません.その上で,リーダーシップ,コンセプトワーク,コミュニケーションといった能力も,意識して高めていくことが重要です.


仕事力を磨け:ビジネス環境の変化が激しさを増すにつれ,従来重宝されてきた,時間がかかってもミスの無い完璧なものが出来上がれば良いという考えを,見直さなければならなくなってきました.生産管理の世界でも,業務プロセスの最適化,ボトルネックの排除が重要視されるように,個々人の業務でも,最も効率のよいやり方でことを進める能力が必須となりつつあります.また,効率とともに重要なのが,近年の情報ツールを正しく理解することです.YouTubeやTiVo(見たいTV番組をCM抜きでダウンロードできる装置)が普及している中,TVCMは投資に見合うものなのか?,記者のフィルターのかかったNHKニュースや日経新聞に熱心に目を通していて,先見的な発想が生まれうるのか?といったことを,今一度考える必要があります.



【管理人より】
最近は,仕事に必要な勉強に時間の多くを割いているため,読書は控えていたのですが,気分転換も必要ということで本書を読んだ次第です.読みながら,頭に浮かんだことをいくつか書きます.


自分の頭で考える習慣が自分にあるかを常に問わなければならない:経済予測の類の報告は,政府機関をはじめ,有名な大学,研究機関,金融機関等から度々行われていますが,あたることは極めて少ないです.また,マスメディアの政治に関する報道,経済に関する主張も,その妥当性には疑問符がつきます.自分の頭の中が,言っていることが,彼等の受売りになっていないか,常に注意を払う必要があります.私も,P.F.ドラッカーや大前氏の主張を,客観的かつ冷徹に受け取れているかなど,今一度自問する必要がありそうです.


衰退産業の保護より,成長・発展分野への人的・資金的支援が重要である:M.E.ポーターの研究でも明らかにされていますが,政府から中長期の補助を受けた産業の多くは,政府の意向とは裏腹に,高い確率で国際競争力を失い,衰退の道を歩みます.実際我が国の米作も,莫大な補助金を受けながら国民の食料をほとんどまかなえていないのが現状です.(ちなみに,米農家への補助金年額の約1/30があれば,海外で日本の食糧自給に必要な農地と農業経営者,従業員,機器が全て購入できます.)農業に限らずですが,弱者へはその場しのぎの補助金を与えるのではなく,本当に進むべき方向を提示し,そこで成功するための資金とノウハウを提供するといったアプローチが重要なのではないでしょうか.



【関連書籍】
ザ・プロフェッショナル大前研一
『即戦力の磨き方』大前研一
『ロウアーミドルの衝撃』大前研一


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『最強の経営学』

【評価】

☆☆☆


【紹介】
ハーバードMBA,ボストンコンサルティング,ATカーニー,同志社大学教授という刺激的な経歴の持ち主である,島田隆氏の著作です.新しい経営理論にむやみに飛びつく風潮に警鐘を鳴らすとともに,意思決定とは本来どういうものか,最低限抑えるべき経営理論は何かについて書かれています.経営ツールとしては,経験曲線,プロダクトライフサイクル,ROEとEVA,PPM,フラット型組織と他書でもよく見かける基本的なものばかりです.本書独特な部分をいくつか紹介します.


情報の種類と意思決定:情報には単なる定量的情報を集めたデータと,データを加工してそこに意味まで付加されたインフォメーション,そこから何が言えるかまで踏み込んだインプリケーション,インプリケーションをもとに実際の行動を決めるジャッジメントがあります.経営者に必要なのはこのジャッジメントを行うことです.重要なのは,ジャッジメントは常に不確実性下で行わなければならないということです.不確実性がなければ,わざわざジャッジメントする必要は無いわけです.経営者(コンサルタント)の仕事は,このどれだけ情報を集めても消えない不確実性の下でジャッジメントを行うことなのだということを肝に銘ずる必要があります.


Cash Flow ManagemantとEconomic Earning(EE):会社は,多少赤字が続いても潰れませんが,資金が回らなくなると途端に倒産してしまいます.そこで昔からキャッシュフロー経営の重要性が至る所で訴えられている訳ですが,それを徹底できている企業は極めて少数です.キャッシュフロー報告書を単に作成して,大まかに眺めるだけでなく,事業キャッシュフローなら,減価償却費,在庫減,売掛金の減少,買掛金の増加,その他によるキャッシュフローの当期の数字,過去の数字を細かに見て,問題点があれば早期に手を打つ必要があります.また,資金調達可能な額とそのコストは,会社の収益力の大きく左右されます.近年では,ROI(投資利益率),ROE(自己資本利益率),NPV(正味現在価値)の他にも,資本コストを上回る利益の大きさを測るEVA(経済付加価値)や,投資家が請求すべき利益を指し引いたときの利益の大きさを測るEEなどの手法が提案されています.会計報告書を見る際には,その構成要素にまで深く注意を払うこと,利益の増減だけでなく,手持ち資金の増減,利益率が適正水準かどうかにも注意を払うことが極めて重要です.


タイトルが若干胡散臭い本ですが,書いてあることは非常に真面目なので,ビジネス書の取っ掛かりとしてはよいかもれません.



【管理人より】
最近,意図した訳ではありませんが,会計知識の重要さを感じさせてくれる本が多いです.実際,経営誌などを読んでいてもそういった主張は多々目にすることと思います.学生の中には簿記検定に目が行く方も多いと思いますが,その際の注意点を言っておきます.


簿記では,財務諸表の「分析」にはあまり触れない:学習簿記は,会計項目の意味,仕分け方法,貸借対照表,損益計算書の作成方法,原価計算法については詳しく学ぶことができますが,財務諸表の項目を分解し,問題点を分析し,意思決定をするといったプロセスにはほとんど触れません.効率を重視する方は,会計項目や財務諸表,原価計算等について書かれた本を一冊読んで,その後は企業分析や経営分析,企業価値評価に関連した書籍に進む方が良いかと思います.


IFRSに注意せよ:IFRS(国際会計基準)という言葉が,現在世間を賑わせています.日本の多くの企業がこれからその影響を受けるようになります.しかしながら,簿記のテキストでは,これに対処するのは難しいかと思います.会計事務所を中心に,IFRSに関する解説書が多々出ています.IFRSに関して全く知らない方は,これらで最低限の知識は,身につけておくと良いと思います.


以上です.


【関連書籍】
『会社を変える戦略』 山本真司
『BCG戦略コンセプト』 水越豊



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『進化する企業のしくみ』

【評価】

☆☆☆☆☆


【紹介】
ボストンコンサルティンググループでテクノロジー系の案件を数多く手がけ,その後独立してコンサルティングファームを起した鈴木貴博氏と,NTT副社長の宇治則孝氏による共著です.内田和成氏の提唱する異業種間の企業競争の現状と,Web2.0,クラウドコンピューティングなどのITイノベーションによる競争原理の変化について書かれています.重要なトピック,用語について紹介します.


異業種競争:内田和成氏が指摘している現象で,従来の業界区分を超えた企業間の競争が至る所で生じていることを言います(参照『異業種競争戦略』).企業は,この現状を正しく認識し,従来の成功パターンに依存しないこと,自社のバリューチェーンは勿論,その川上・川下,近接業界のバリューチェーンにも常に注意を払い,脆弱な箇所の把握と新たなビジネスモデルの検討することを肝に銘ずる必要があります.


サービス指向アーキテクチャ(SOA)の拡大:SOAというのは,他社のシステムとの互換性をもつシステム設計と理解していただければ良いかと思います.つまり,自社で業務に必要な一連のシステムを全て保持するのではなく,コア部分は自社特有のシステムで,検索部分はGoogleに,取引部分はAmazon,決算はVisaといったように,各社間で柔軟にサービスを組み合わせて業務ができる環境が現在存在し,拡大しているのです.様々な問題点の指摘されているERPに替わる有望な技術として,現在多くの企業が注目しています.


Web2.0マーケティングへの応用:近年,ブログやツイッターなど,個人が情報発信する機会が増大し,口コミ等をマーケティングに生かすだとか,アンケートでは知りえない顧客の本音を汲み取る努力が各企業で進められています.従来は,無数にあるブログからいかに有益な情報を見つけ出すかに苦戦する企業が大半だった訳ですが,近年になって,ブログの文章を理解し,自社製品について満足している点,不満な点を整理するソフトが開発されました.これらの動きにより,一層個人の情報発信を生かしたマーケティング活動が進展すると考えられます.


APIの公開と企業間マッシュアップAPIとは,ソフトウェアを開発するための簡易プログラムといった所でしょうか.要は,各社がAPI公開企業のソフトを自由にカスタマイズして使える状況(マッシュアップ)が進んでいる訳です.例えば,自社のホームページ上でGoogle Mapsが起動し,自社の各店舗が表示されるといったサービスは,このAPIの公開によって可能になったものの一つです.これにより,提供企業は勿論,様々な企業間で新しい提携ビジネスの可能性が見出され,着々と進展が見られています.




【管理人より】
近年,旧来型の戦略論の限界が至る所で生じています.私が特に強く感じている点を2つ確認しておきます.


RBV的アプローチの軌道修正が必要:従来RBV(企業の内部資源)を評価する際は,付加価値創造力,希少性,模倣困難性といったものが最重要項目として存在しました.そのため,自社の競争優位の源泉を定義したら,極力それを他社に知られないようにするといった行動が推奨されていました.しかしながら,SOAの普及,APIの公開が進む中,企業は,その考え方も見直す必要が出てきたかと思います.むしろ,知的資産の公開によって,企業のビジネスチャンスの拡大や,既存資産の更なる強化が進むことも期待できるわけです.以前読んだA.ブランデンバーガーのゲーム理論に関する論文でも,他社の参入・模倣が競争優位に繋がるケースが紹介されていました.従来の戦略理論に縛られること無く,その時々で柔軟かつ本当の意味で戦略的に考える姿勢が重要かと思います.


戦略計画的アプローチと現場主義の融合にはまだ議論が必要:H.ミンツバーグ,清水勝彦氏など,経済の変化が複雑化し将来に対する不確実性が増大しつつあることから,中央頭脳が詳細な戦略計画を立て,現場が実行するといったプロセスでは対処できないと言った主張が多々存在します.私も将来予測の困難性については憂慮しており,H.ミンツバーグや遠藤功氏,高橋俊介氏の言うように,現場への権限委譲と,社員一人一人がリアスタイムで問題解決にあたることが極めて重要であることには,ある程度賛成です.しかしながら,いずれの専門家も,トップのビジョン,大局的な方向付けの妥当性も極めて重要であることに言及していることから分かるように,トップが重要な意思決定をしなければならないことには変わりはありません.また,ビジョン・方向性の妥当性の向上のためにも,従来型の戦略論的アプローチが価値を失うことはないと思います.過去からの脱皮は不可欠ですが,安易な全否定には気をつける必要があるかと思います.





【関連書籍】
『異業種競争戦略』 内田和成
クラウド化する世界』 ニコラス.G.カー
『グランズウェル』シャーリーン・リー, ジョシュ・バーノフ


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